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第2章  実務編 (1)雇用管理 制度・助成金

Q9 在宅勤務での労働者災害補償保険の取扱い
在宅勤務中にけがをしたり、出社する際に事故が発生した場合など、労働者災害補償保険の補償対象となりますか。在宅となると、どこまでが労働災害と考えられるのか難しいような気がします。

A9

 労働者災害補償保険は、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害又は死亡(以下、「業務災害」又は「通勤災害」という。)に関して、必要な保険給付を行うこととしています。業務災害と認められるためには、「労働者が労働契約に基づき事業主の支配下にある状態」に起因する災害と認められることが必要であり、通勤災害と認められるためには、「労働者が、就業に関し、住居と就業場所との間を合理的な経路及び方法により往復する通勤」において発生した災害と認められることが必要です。さて、在宅勤務については、事業主の管理下を離れて業務に従事することとなりますから、在宅勤務中の個々の行為については、事業主の拘束を受けず、在宅勤務者の任意に委ねられています。そのために、在宅勤務中には、さまざまな私的行為が行われるでしょうし、また、それは、在宅勤務の性質からして、通常あり得ることと考えられます。 
 在宅勤務中に発生した災害について労災認定をする場合、業務と私生活が混在しているために、業務中に発生した災害かどうかの判断が難しくなります。具体的に問題となる例としては、自宅で休憩中にトイレにいく途中階段から落ちて負傷した場合、終業時間の定めを超えて自主的に残業して負傷した場合、買い物のついでに報告書の発送を依頼するため業者等へ行く途中又は帰る途中で災害にあった場合等が考えられます。具体的な認定に当たっては、在宅勤務中に発生した災害であっても他の災害と同様に、個々の事案ごとに、当該業務又は通勤に起因して発生したものか否かについて調査を行われた上で判断されることとなります。

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