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第1章  解説編 障害者の在宅勤務の状況について

Q4 日本の障害のある人の在宅勤務を取り巻く状況はどうなっていますか?

A4

 一般のテレワークの普及とともに、移動の制約などから企業に通勤して働くことに困難を抱えている重度障害者にとっても在宅での就業の可能性が広がり、それを支援する新たな動きが出てきています。国や自治体では、障害者の在宅就業の支援やIT技能向上のための講習などを展開する中で、障害者の在宅就業の推進を図ってきました。
 障害者の在宅勤務については、平成3年に在宅勤務者が障害者雇用率制度及び特定の助成金の対象となり、平成17年には、障害者の雇用の促進等に関する法律の一部改正により、在宅勤務コーディネーター助成金が新設されました(A10参照)。また、平成17年の法改正では、企業に雇用される在宅勤務者だけでなく、請負型の在宅就業を行う障害者(在宅就業障害者)に対して企業の積極的な仕事の発注を奨励することを目的として、在宅就業障害者および障害者の在宅就業を支援する団体(厚生労働大臣の登録を受けた在宅就業支援団体)に仕事を発注した事業主に対して、障害者雇用納付金制度に基づく特例調整金や特例報奨金が支給される仕組みが創設されました(注1)。このように、障害のある在宅勤務者などへの支援が整備されつつあります。
 在宅勤務については、労働者の勤務時間帯と日常生活時間帯が混在せざるを得ない働き方であることから、労働時間の算定が難しいと言われています。そのため、「情報通信機器を活用した在宅勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」(注2)が策定され、事業場外労働のみなし労働時間制を適用することにより、在宅勤務の労務管理運用がより適切に行えるようになりました。このような社会環境の変化により、在宅勤務は今後の就業形態の一つとして大きな位置を占めるようになるものと思われます。障害者の在宅勤務者数や在宅勤務制度を導入している企業・団体等の正確なデータは現時点では残念ながらありませんが、障害者の在宅雇用事例としては、本ホームページで紹介している「在宅就業の事例」をご覧ください。

(注1)在宅就業障害者に対する支援(厚生労働省ホームページ)(別ウィンドウで開く)

(注2)「情報通信機器を活用した在宅勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」(別ウィンドウで開く)の策定について


コラム1-2

【トピックス】 在宅雇用をバックアップ

 ITを活用した業務が障害者の就業に極めて有効であると言う認識のもと、障害のある人を対象としたパソコンセミナーを開いたり、障害のある人と企業を結ぶ在宅勤務の支援を行ったりしている非営利の市民組織が全国に多数あります。また、遠隔地からのセミナー受講希望者に応じるため、インターネット上で運営する通信講座を始めている機関もあります。このような中から、企業の在宅雇用に結びつく人も、今後更に増えていくものと思われます。

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