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第2章  実務編 (3)作業環境

Q33 障害状況に合わせた什器類(机、椅子、棚など)の工夫
障害の程度によっては、普通に机と椅子を用意してというだけではすまないケースもあるのではないかと思いますが、在宅勤務者に負担にならないような什器類の工夫例があれば教えて下さい。

A33

 在宅勤務者の現状をみるとコンピュータを使用していることが多いので、ここではコンピュータによる作業を前提に説明します。作業スペースにもよりますが、最低でも机と椅子(車椅子をそのまま利用する場合もある)は必要です。机も一般の机では車椅子の高さによっては使えない場合もあります。車椅子が入る高さに調整し易い机を利用するとよいでしょう。 
 また床に座って作業をするケースでは低めの机を使いますが、このときディスプレイの位置に十分気をつけてください。ディスプレイが目の位置より高くなると、首をあげてキーやマウス操作をすることになり、この姿勢を続けると頚髄に負担をかけ二次障害を招く危険もあるからです。逆にディスプレイの位置が低すぎるのも、やはり首に負担がかかり良くありません。ノートタイプのコンピュータでは低くなりやすいので注意しましょう。 
 利用頻度の高い資料などは取り出しやすい場所におくことを考えると作業テーブルは広いものが理想的です。しかし、作業スペースが十分に確保できない場合は、取り出しが便利な棚などの収納器具を積極的に利用するとよいでしょう。
 (断面図3種)

棚の工夫例

コラム2-40

【事例】 (1)机の長さ、メインテーブル

 「6畳段差なしの作業室は仕事のため増築しました」、というN氏は頚髄損傷の1級です。 部屋の中央に作業机が配置されています。作業机などは車椅子にあわせて特注しました。
[I社のヒアリングより]

コラム2-41

【事例】 (2)車椅子に乗ったままでも十分に足が入る机

 頚髄損傷1級のU氏は設計部門に所属し、CADによる基礎データの構築を在宅で行っています。会社の人事の方と一緒に什器類の検討をしました。当初、机の高さが調整できるものを考えていましたが、在庫がなかったため車椅子を使用した状態でも十分に足が入る高さのものを選びました。
[F社のヒアリングより]

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