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第2章  実務編 (3)作業環境

Q31 障害状況に合わせた作業環境
障害の状況に合わせた在宅の作業環境とはどのような環境ですか?

A31

 身体に障害のある人にとっては、障害に合った作業環境がとりわけ求められます。特に車椅子使用者には、室内の床面に段差がないことが望まれます。また、トイレも障害にあった構造になっていれば介助なしでできる場合も多くなりますし、介助が必要な場合でも介助者の負担が少なくてすみます。さらに、長時間車椅子に乗って同じ姿勢で仕事をすることで身体に負担を与えてしまうことも考えられます。このような場合には、ベッドやソファなどにちょっと横になることができるような休憩コーナーがあると体力的にも精神的にも負担が少ないようです。実際に身体に障害のある人は、生活の場でもある自宅には既にこのような環境が確保されていることが多く、仕事のためにはじめから作業環境を整備することは比較的少ないようです。

コラム2-36

【事例】 (1)E社

 筋ジストロフィーで1級のT氏の作業スペースは2階の自室ですが、階段昇降機を設置しており、自分一人で昇降が可能なようになっていますし、休息コーナーもあります。また、トイレにはリフターがあり介助者もかなり身体的な負担が軽減されるようです。 
 就職前から住空間としての改造をしていたので、仕事のために作業環境を整備するための特別なことはしていません。
[E社のヒアリングより]

図 在宅就労スペース案(最低限のスペース)

コラム2-37

【事例】 (2)Bセンター

 頚髄損傷1級のQ氏は1階7.5畳の自室を作業室としています。初めから車椅子での生活が可能なようにと設計された家なので床面に段差はありません。トイレも浴室も自分一人で使えるようになっています。「ベッドも室内にあり昼休みの休憩時には横になり休憩をとっています。トイレも自分専用のトイレが近くにあることが何よりいいです。肉体的にはもちろんですが精神的に落ち着いた環境で仕事ができます。12、3年前に建てた家で、今現在では荷物も増え狭くなってきていますが満足度は大です。ただ、手がかじかむと指が動かなくなるので暖房には気をつけています。」 (Q氏談)

(見取り図)

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