第2章 実務編 (1)雇用管理 業務・指示・報告
Q15 在宅での業務内容の決め方
在宅勤務でできる業務内容は限られるように思いますが、業務内容を決めるとき注意すべき点はあるでしょうか? また在宅に適した業務があるとしても、その仕事が継続的にあるとは限らないのではないでしょうか?
A15
在宅勤務における業務は、その遂行の方法を作業者の裁量に委ねる必要性の高いものであることが望ましいとされています。例えば、次のような業務です。
- 新商品又は新技術の研究開発等の業務
- 情報処理システムの分析又は設計の業務
- 記事の取材又は編集の業務
- デザイナー等の業務
仕事の内容は通勤の作業者も含めて変わっていくものです。固定的な見方にならないように心がけ、業務を考えていきましょう。
現在、障害のある人の在宅勤務が実施されている事例では、次のような業務がありますが、コンピュータに係わる業務が圧倒的に多くなっています。
- システムエンジニア、プログラマー
- データ入力、ワープロ入力
- コンピュータによる図面作成(CAD)等
- 写植印刷
- テープレコーダの記録のリライト
- ユーザーサポート
- データベース・サーチ
- インターネットのホームページ(コンテンツ)作成
- モニター業務
- マーケティング(市場調査、調査分析)
上記の業務やその他の業務については、当機構ホームページの「障害者の在宅就業支援」をご覧下さい。
コラム2-12
【事例】 CADによる図面作成
Sさん(頚髄損傷1級)が入社したD社では、CAD(Computer Aided Design)による図面作成を行っているチームがあり、Sさんはここに所属しましたが、障害により車の運転ができず通勤が困難ということで在宅勤務になりました。
作業を行うシステムとFAXがあれば、FAXで仕事の指示を受け図面作成をした後FAXで送り返すという在宅でも全く支障のない業務です。Sさんは、手にも障害がありますが、CADによる作業については作業量・スピード共に他の人と全く引けをとらない実績をあげています。
また、Sさんはその後九州に車椅子対応の住宅を建てて東京から引越しました。本社より担当者が出張して自宅への機器設置を行い、業務は同様に続けています。
[D社のヒアリングより]
コラム2-13
【事例】 印刷の版下作り
Vさん(脊髄損傷1級)は、自宅に写植機と暗室を設置し、在宅でページものや、新聞などの文字を印画紙にする業務をしています。
G社では、当初、Vさんの冬季の通勤上での危険を回避するため、部分的に在宅勤務を始めましたが、現在では完全に在宅勤務としています。仕事の受け渡しは本人が出社したり、会社の上司や営業が訪問して行っています。
[G社のヒアリングより]
コラム2-14
【事例】 システム開発
M社は病院、開業医、企業等より委託を受け、衛生検査を行う業務を行っています。Bさん(脳性マヒ1級)は、この会社で在宅でシステム開発の仕事を行っています。主に、客先のオフィスコンピュータと検査所のホストをつなぐオンラインソフトの開発が仕事です。Bさんが客先との打ち合わせにも出かける場合もありますが、スケジュール調整なども全て自己管理しています。
[M社のヒアリングより]
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