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在宅雇用の手続き

重度障害者の働く場の拡大を目指して

コンピュータ技術やマルチメディア化による情報伝達の技術革新によって、重度の障害者でも自宅に適宜な設備と環境の整備をすれば、質の高い仕事ができるようになりました。従って通勤困難な障害者にとっては在宅勤務制度を活用する事により新たな就業への可能性を広げる事になります。一方、企業にとっても在宅勤務制度を採用する事によりIT技術を用いた業務需要の高まりに対応する人材の確保に役立つのみでなく、障害者雇用率にも寄与する事になります。この状況を受けて、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構は各企業に在宅雇用制度の活用を推奨しています。

国では、障害者雇用率制度及び障害者雇用納付金制度(納付金、調整金、報奨金、助成金)の対象となる在宅勤務者の要件等を次の通り整理しています。

1 在宅勤務者の定義

在宅勤務とは「労働日の全部又はその大部分について事業所への出勤を免除され、かつ自己の住所又は居所において勤務すること」をいいます。具体的には事業所における通常の勤務日数が一週間当たり一日未満であり、かつ一週間当たりの事業所への出勤回数が二回未満である者が在宅勤務者となります。   しかし、1~7に掲げる身体障害者については、その通勤の困難性を考慮して事業所への出勤回数が一回未満とされています。

  1. 1)一級又は二級の視覚障害者
  2. 2)一級又は二級の上肢障害者
  3. 3)一級から三級までの下肢障害者
  4. 4)一級から三級までの体幹障害者
  5. 5)一級又は二級の乳幼児期以前の非進行性の脳病変による上肢機能障害者
  6. 6)一級から三級までの乳幼児期以前の非進行性の脳病変による移動機能障害者
  7. 7)一級から三級までの内部障害者

2 在宅勤務者の要件

在宅勤務者については、事業所勤務労働者との同一性(所属事務所において勤務する他の労働者と同一の就業規則等の諸規定が適用されること)が確認できれば原則として雇用保険の被保険者となります。なお、この事業所勤務労働者との同一性を判断するにあたっては、次の点に留意した上で統合的に判断することとされています。

  1. 1 事業主の指揮監督系統が明確であること—在宅勤務者の所属事業所及び管理監督者が指定されていること。
  2. 2 拘束時間等が明確に把握されていること—所定労働日及び休日、始業及び終業時間等が就業規則等に明示してあること。
  3. 3 勤務実績が事業主に明確に把握されていること—各日の始業、終業時刻等—。
  4. 4 報酬(月給・日給・時給等)が勤務した期間又は時間を基に算定されていること。
  5. 5 請負・委任的なものでないこと—機械、器具、原材料等の購入、賃借、保守整備、損傷、通信費光熱費等が事業主により負担されることが雇用契約書、就業規則等に明示されていること。また、他の事業主の業務に従事することが禁止されていることが、雇用契約書、就業規則等に明示されていること。

3 雇用保険の被保険者資格取得届

 事業主が重度障害者を雇用し、在宅勤務者として障害者雇用率に算入する場合には、在宅勤務者に対して雇用保険の被保険者資格取得をする必要があります。   この取得手続には雇用保険の「在宅勤務者実態証明書」を作成して、事業所を管轄する公共職業安定所に提出しなければなりません。提出に際しては、実態証明書の記載内容を証明する証拠書類の提出を必ず求められますので、事前に準備して持参するとよいでしょう。   また、記載欄の就業規則の適用状況、労働条件等については、事業所の管轄労働基準監督署に届け出た就業規則及び諸規定等(在宅勤務者に対する特別の就業規則等が適用される場合を含む)の内容を記入してください。

4 在宅勤務者に適用される助成金

在宅勤務者であっても次の助成金については、助成対象障害者とすることができる場合があります。

  • 障害者作業施設設置等助成金
  • 障害者福祉施設設置等助成金
  • 障害者介助等助成金(職場介助者の配置または委嘱助成金)

なお、助成対象となる場合には種々条件がありますので、詳しくは、当機構の各都道府県支部高齢・障害者業務課(東京支部、大阪支部は高齢・障害者窓口サービス課)(別ウィンドウで開きます。)にお問い合わせください。

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