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事例1

在宅就業実態調査

企業および事業の概要
業務内容 ハードウェア/ソフトウェア/賃貸(リース)/サービス(コンサルティング・サービス/構築・運用サービス)
従業員 19,951名
本社所在地 東京都

在宅勤務者の属性、雇用形態
性別 女性
障害 体幹機能障害/両上肢機能障害(1級)
在住地 東京都
使用補助具
(車椅子等)
特殊な電動車椅子
雇用形態 契約社員

1.雇用管理等について

1.在宅勤務の概要、企業としての障害者在宅勤務の考え方(メリット・デメリット)

2004年4月に新卒入社。24時間介助支援の対象の重度障害で、片手指先のみ動かせる状況。歩行はまったく不可能。自力による車椅子の乗り降りも不可能。働く意欲が強く、筆記試験の結果、英語/日本語の翻訳は可能との判断により自宅での就労を提案。ご本人が一番楽な状態であるベット上で就労中。自宅側の就労環境はアクセシビリティーセンターと外部専門業者に委託。 経費はすべて会社負担。 当初、就労中の介助を外部の人に依頼していたが、仕事そのもののサポートは不要であるため就労中の昼食/トイレ介助は現在母親が行っている。 当社の課題の一つとして障害のある方の積極的な採用を行っている。 創業以来、障害の有無に関係なく就労に必要な能力次第では必要な支援を行い就労の機会は均等に提供している。 近年、E-ワーク制度、モバイルオフィスなどの浸透により、社内の在宅勤務に対する環境は整ってきたところであったため、契約社員にもその機会を無理なく提供できることとなった。

2.在宅での業務内容

所属する人事部門の各種資料の翻訳および社内ホームページ掲載記事の翻訳に携わる。

3.処遇、勤務実態、業務の進行管理等について

1) 賃金と人事上の処遇 当社規定の契約社員。賃金は職歴/スキルなどを考慮し、社内規定による賃金テーブルに基づき個別に決定する。通信費、消耗品費は支給。就労場所は自宅とし、月1回程度の出社は出張扱いとする。交通費(ガソリン代、高速道路代)については社内規定どおり立替請求により支払う。
2) 勤務実態 体力的な配慮により、週5日間の30時間、毎日9:30から16:30までの6時間勤務。12:00から13:00は昼食。集中力があり、6時間通して仕事に向かっていることが多く、時々休憩を入れるようガイドしている。雇用開始後7ヶ月間、欠勤なし。
3) 業務の進行管理   採用にも携わった人事部門の担当者が、本人と部門内の仕事依頼者と日程、業務内容、優先順位などを調整し、本人にアサインする。本人はその請け負った仕事の中身の詳細について依頼者とやり取りをする。金曜日には進捗状況を報告する。
4) 教育訓練・能力開発 本人は何事にも意欲的、積極的で、外に出かけようという意欲も高い。基本的なOAスキルも学生時代に外部の講習会参加により習得した。人事部門に関する研修として手始めに「基本的な労務管理の本を読む」あるいはインターネットで「自分がかかわった翻訳の用語を調べてみる」ことなどを薦めている。また、英語のレベルアップのため、E-ラーニングによる適切なコースを探しているところである。将来的には外部研修受講も検討していきたい。
5) 福利厚生・健康管理 雇用開始時と雇用1年後は必ず定期健康診断を受ける。その他に3ヶ月に1回程度、出社日に合わせて、産業医による健康管理問診を行う。雇用開始後、社会保険の適用を受けるとともに健康保険組合に入るため、ここで提供するすべての福利厚生制度は受けられる。全国各地の保養所の利用、心身の健康相談サイトの利用など各種プログラムあり。
6) コミュニケーション/
  社内情報の提供
月1回程度の出社時に、できる限り多くの社員と接するようにする。疾病による障害が聴覚にも影響しているため、電話でのコミュニケーションは極力避けており、緊急で必要な場合は母親に伝言してもらう。本人とのコミュニケーションは業務の支持等本人からの質問も含め、基本的にE-メール。毎日の始業/終業時の報告メールは必須。その際、社内の様子などを伝えるようにしている。

2.在宅勤務のための就労機器について

1.在宅勤務のために設置している機器(複数)

パソコン、特殊モニター、キーボード、トッラクボール

2.1.で回答した各機器(通信回線の設置、加入料、使用料等も含む)について

(1)購入、設置等 40万円くらい(パソコン/特殊モニター、キーボードおよびトッラクボールの購入費および設置費、コンサルタント費)
(2)メンテナンスの契約等 内規による貸与(従業員と同様)
(3)消耗品等の扱い 会社負担

3.この機器に関する在宅勤務者の考え方、他にどんな機器(あるいは現在使用の機器で別の機種)があれば仕事の効率があがると思うか。

雇用開始のタイミングに合わせて、人事、アクセシビリティーセンターの担当者が自宅に何度も足を運び、社内外の専門家のアドバイスによりOA環境の整備を行った。これまでの環境に比べてずいぶん改善されたため効率も上がっている。

4.企業側の機器設置の考え方と現設置機器の新旧、適性度等

従業員の一人であり、他と同様貸与するもの。ただし、障害による特殊性などの必要があればできる限りの整備を行い、経費は負担する。

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