在宅雇用 企業事例⑧ 株式会社 神戸デジタル・ラボ  http://www.kdl.co.jp 週1度の出社で頑張る姿に、職場の士気もアップ 全社員88人のうち約半数が客先に常駐する「直行直帰」のため、本社との業務連絡の方法は 一般社員も在宅勤務者もほとんど同じです。ハンデの部分を考慮しながら自然体で接しています。 ITビジネスの最前線を行く神戸デジタル・ラボは、情報システム開発、インターネットビジネスの トータルサポート、システム開発業務の客先開発の3事業を展開する独立系の情報技術集団です。 代表取締役の永吉一郎社長は、社会福祉法人プロップ・ステーションの理事でもあり、障害者への 理解が深く、はじめての障害者雇用もスムーズに行っています。ITを活用した在宅就労を望む障害者、 企業にとって理想と言える形です。 名称:株式会社 神戸デジタル・ラボ 創立:1995年年10月 事業内容:オープン系システム開発 所在地:兵庫県神戸市中央区江戸町93 TEL:078-327-2280 FAX:078-327-2278 ホームページ:http://www.kdl.co.jp 1日中モニターに向かう仕事だからこそ、心を通わせることが大切 ▲取締役 総務部長 保手浜丈史さん 我々はプログラマー、システムエンジニアの集団です。 全社員の半分が色々な客先に常駐してプロジェクトを組んでいるので、 在宅勤務という就業形態が非常に合っていると思います。 仕事をする上で、開発スキルと同じくらい大事なのがコミュニケーション能力なんです。 1日中モニターに向かって仕事していますから、コミュニケーションを図ることによって チームワークが全然違ってきます。 みんなで励まし合うと、よりいいものができるんです。通常、全社員への連絡方法はメールですが、 本当は電話のほうがいいですよね。だから少なくとも週1回は顔を合わせたミーティングが とても重要になってくるわけです。 在宅雇用希望者との面接時にまず聞いたのは最低週1回、2〜3時間でも出社できるかということでした。 「毎日は無理です」と言うから、毎日は来なくていいよと。当初はメールだけで済ますようになったりしないかと 心配でしたが、今は週2回も来てくれてますからまったく問題ないです。 職場も在宅者も、心をつなげる努力が必要 基本的な考え方はみんな平等で、特別視しない。逆に言うと、障害者の方には自分の障害に甘えてほしくないですよね。 自分からこれを取ってくださいとか、こうしてくださいと言うことです。厳しいかもしれませんが重要なことだと思います。 すごく頑張っている姿をみると、チームの士気も上がりますから。 そして「私は在宅だから」と言うのではなく、極力会社に来られるようにしてほしいですね。 会社側も「在宅だから来なくていいよ」ではなく、「体調がよければなるべく来てね」というように、 お互いに心をつなげておくことです。 ▲右はデジタル・ラボ代表取締役 永吉一郎社長 雇用の現状 募集方法 ハローワーク、Web求人サイト 在宅就業者数 1名 障害の状況 両下肢機能全廃、両上肢の機能障害。車イス使用(障害者手帳1級) 身分 正社員 雇用契約 月給(賞与年2回) 勤務時間 9:00〜17:45(フレックス制あり) 業務内容 システム開発におけるプログラミング コミュニケーション 日報・メール(全社員共通)、週1〜2回出社  留意点 ・必要以上に気を遣わない、気を遣い過ぎるとお互い窮屈に。まず在宅勤務者本人ができることできないことを  自覚して自分から言ってくれると、職場の雰囲気もよくってなっていく。 ・頑張りすぎないよう注意を。在宅の場合、これくらいは1日でできると、自分のプライドで無理しがち。  健康管理も大事な仕事という認識を持たせること。 PICK UP!−週に2度の出社はいい刺激になっています− ▲ソリューション部 。金村和美さん 脊髄性進行性筋萎縮症(障害者手帳1級) 大学では情報処理を専攻していて、大学院でスキルを磨いてから神戸デジタル・ラボに就職しました。 新しい環境に入るときは。譲れるところと譲れないところを最初にきっちり言うことが大切だと思います。 頑張れば無理してしまうというのは自分が一番よくわかっているので。私の場合は毎日来られないことが 最低の条件でした。今は週に2回出社していますが、それがいい刺激になっていますね。 自宅で仕事をずっとしていると、やっぱり甘えが出てしまうんです。会社に行くことで仕事のメリハリも つきますから、出社は大切だなと非常に思っています。 在宅はやっぱり身体が楽ですよね。自己管理は仕事の一部だと思っているので、それほど大変じゃないですよ。 在宅勤務で気をつけることは…勤務報告に嘘を書かないことぐらいかな。 ▲神戸デジタル・ラボ WEBトップ画面 ここがポイント ・日報や毎日のメールで心のつながりを  日々のメールのやりとりは、仕事上のつながりだけでなく心をつなぐ役割も。  たまに冗談を書いたりコミュニケーションに役立てています。 ・設備面での配慮を  会社の席は車イスで入りやすい場所に。また社内イベントの際は車イスも可能な会場を選び、  足を運びやすい環境づくりをしています。