在宅雇用 企業事例⑤ 株式会社 沖ワークウェル  http://www.okiworkwel.co.jp/ 21名のネットワーカーが在籍し、コーディネーターと二人三脚で活躍 沖電気グループ全体の理解と協力で在宅雇用が定着し、新たに障害者の在宅雇用専門の会社として独立。 コーディネーターが中心となって21名の在宅ワーカーをまとめています。 沖ワークウェルは、日本で初めての重度障害者の在宅勤務を中心に障害者雇用を専門に行う、沖電気の特例子会社です。 沖電気の在宅就業を推進する社会貢献推進室で活躍していた沖ネットワーカーズ(障害のある在宅勤務者)と コーディネーターがそのまま移行し、沖電気グループ各社の仕事を請け負っています。 また「障害者の経験、特性、感性を生かし、、誰もが笑顔で暮らせるIT社会を作る」ために、 他企業の在宅雇用制度導入サポートサービスなども展開。積極的に活動を行っています。 名称:株式会社 沖ワークウェル 創立:2004年4月 事業内容:ホームページ制作、ポスター作成、名刺作成など 所在地:東京都港区芝浦4-11-17 TEL:03-5445-6805 FAX:03-3798-7085 ホームページ:http//www.okiworkwel.co.jp/ 円滑な在宅雇用の鍵を握る、コーディネーターの存在 ▲取締役社長 木村良二さん 1998年に沖電気の社会貢献推進室主導で障害者の在宅雇用を開始して6年目の2004年4月、 独立する形で特例子会社としてスタートしました。6年の経験で得た教訓は、労務・業務管理から健康管理、教育 さまざまな方面で生かされています。 健康管理やコミュニケーションは、在宅ワーカーの心身のためだけだけでなく業務に支障をきたさないためにも、必要不可欠です。 沖ワークウェルでは体調を最優先して無理をさせない、年に2,3回の親睦会で疎外感や意識のズレをなくすなど、 きめ細かくサポートしています。 その調整・管理をしているのがコーディネーターです。個々の健康状況や能力の把握、業務の進行管理など、仕事は多岐にわたり、 在宅勤務の円滑な業務遂行には欠かせない存在です。 コミニュケーションスキルを磨いて、在宅勤務者だけで成り立つ会社に ▲取締役事業部長 津田貴さん 設立当初から専任のコーディネーターとして在宅ワーカーをまとめる津田貴さんがもっとも重視しているのが コミュニケーションスキルです。 「発注者と在宅勤務者が直接電話やメールでやりとりすることもあり、正確で充分なコミュニケーションで 信頼を得られるよう教育の徹底を図るとともに、ビジネスマナーなどもOJTで指導しています」と津田さん。 また技術のスキルアップには各人の特徴を活かしたテーマを設定してOJTやオンライン講座に参加してもらうなど、柔軟に対応しています。 在宅ワーカー同士の切磋琢磨も相まって着実に実績を積み重ね、今では沖電気グループ外からのホームページ制作依頼もあるそうです。 「今後はコーディネーターも在宅勤務者が行い、仕事の指導や調整などすべてできるようになることを目指しています」と木村良二社長。 将来はNPO的なコミュニティビジネスで社会貢献できる事業展開も視野に入れています。 ▲沖ワークウェル WEBトップ画面 雇用の現状 募集方法 東京コロニーの「IT技術者在宅養成講座」修了生、東京コロニーより紹介他 在宅就業者数 21名(2005年3月現在) 障害の状況 身体障害1級または2級 身分 契約社員(在宅勤務契約社員) 雇用契約 時間給/更新期間1年 勤務時間 6〜7時間(標準時間帯10:00〜17:00)契約時に個別設定 業務内容 ホームページ制作、ポスター作成、名刺デザインなどのIT業務 コミュニケーション方法&内容  ・主に電話やメール。年2〜3回の全員参加による親睦会を実施 ・グループウェア構築で、技術ノウハウなどの情報共有、全在宅勤務者の業務スケジュール等も掲載 ・各自仕事状況を週報として、毎週木曜日に全員に送信 留意点  ・健康管理 残業は避けるなど無理をさせず、体調不良の場合は仕事を休ませる。  すぐ別のワーカーを割り当て、プロジェクトに影響が出ないようにする。 ・コミュニケーションスキルの重視 メールや電話で頻繁に連絡を取るが、意識のズレが生じると業務が成り立たない。  コミニュケーションスキルをより重視し、教育を徹底している。 ・仕事の確保 沖電気グループ内であっても、在宅勤務者用の仕事を出してもらうのはなかなか難しい。  コーディネーターは現場に仕事の発注とメリットの提案を、積極的に続ける必要がある。 在宅勤務者へのアンケート(20名/複数回答) ・在宅で仕事を続けている要因3/4人が「身体の負担が少なく、体調に合わせて働けること」を挙げており、  体調面で安心できることが第一のようです。  次に多かったのが「コーディネーターのサポート」で、重要な役割を果たしていることがわかります。 ・就労経験 ある12人 ない8人 ・IT技術の習得 講座を受講16人 独学4人(OJT、関連書籍等) 大学で勉強1人 ・スキルアップ 独学18人(書籍、ネット等)オンライン講習2人  ※ほとんどが書籍やネットで独学、時には講習会参加で技術を磨いているようです。 PICK UP!−30過ぎてパソコンに初挑戦、やればできると実感してます− ▲ネットワーカー 山本忠夫さん 頚椎損傷右腕神経引抜(障害者手帳1級) 事故で頚椎を損傷し、入院中にケースワーカーの方から東京コロニーのIT講座を紹介してもらって受講することにしたんです。 パソコン経験は全然なくて、授業はきつかったです。30歳を越してたから、この年で勉強かよ!と。それがだんだん楽しくなって、 2年間の講習を終える頃にはデザインに興味を持ち始めて、沖電気に内定が決まったと同時にデザインの講習も始めました。 入社して3年間は講習と仕事をかけもちで大変でしたね。今後はデザインのほうでスキルを磨いて、 すごいと言われるポスターを作ってみたいです。4年目に沖ワークウェルになり、社員も仕事量も増えて充実しています。 自分で信念を持ってやろうと思えば何でもできるものです。みんなが思っているほど他人は冷たくないですよ。 だから大丈夫、と言いたいですね。 ここがpoint! ・専任のコーディネーター設置  営業またはプロジェクトマネージャーとして、発注者と在宅勤務者の間に立ち、業務の進行管理から就業管理まで  すべて行っています(助成金活用)。 ・グループウェアによるノウハウ共有  在宅勤務に必要な、技術ノウハウなどをweb上に蓄積し、他のメンバーや後輩に伝授しています。 ・東京コロニーの修了生を中心に基礎能力重視で採用  基礎がしっかりできていると仕事の対応も早く、より高度なスキルアップが望めます。  それによって付加価値の高い仕事ができ、事業内容の幅も広がります。