在宅雇用 企業事例③ 日立物流ソフトウェア株式会社  http://www.dic-net.co.jp 働く意欲と向上心を刺激することで在宅雇用もスムーズに 日立グループはあらゆる形で社会貢献活動をおこなっており、障害者の雇用も積極的に取り組んでいます。 日立物流ソフトウェアでは初めて在宅雇用を開始し、手探りながらも支援体制を整え始めています。 日立物流ソフトウェアは、国内外に111事業所、関連会社29社、海外法人も19社以上を有する 日立物流グループの中で唯一の情報専門会社です。 情報システムの開発・運営・保守・アウトソーシング、ネットワークシステムの構築・運営を任されており、 これらの業務を支える人材が誇りです。 プログラムやシステム開発の分野は在宅勤務が進んでいるため、障害者の在宅雇用にもこだわりがなく、 やる気があれば今後も採用したいと障害者の人材にも目を向けています。 名称:日立物流ソフトウェア株式会社 創立:1973年8月 事業内容:物流・流通・サービス分野における情報システムの設計・開発・コンサルタント業務及び情報関連機器販売業務 所在地:東京都江東区東陽7-2-14 TEL:03-5634-1912 FAX:03-5634-1917 ホームページ:http//www.dic-net.co.jp 特別扱いせず無理のない受け入れ体制が成功 ▲総務部 地田雅之さん 日立物流ソフトウェアはもともと障害者の雇用を推進しており、ホームページでも「障害者採用情報」を設けています。 今までは通勤者のみで、在宅雇用は初めての試みでした。 荒口さんの企業でのシステムエンジニアとしての豊富なキャリアや、相当な意気込みを感じて、すぐに採用に踏み切ったそうです。 「在宅雇用という言葉も知らなくて、日本障害者雇用促進協会に相談しながら手探りで進めていったという状況でした」と、 受け入れ準備の一切を担当した地田さんは当時の苦労を振り返ります。 ただ受け入れ体制や勤務管理等で特別なことはなく、「勤怠チェックや仕事はメールでやりとりできますから、 一般社員と変わりませんね」と地田さん。 思った以上にスムーズに進み、スキルアップや教育の面でも、本人の希望があれば相談の上で 会社が費用を負担するという形で一般社員と同じだそうです。 在宅雇用で得た経験を活かし、今後も障害者の採用を推進 2002年4月に在宅雇用を始めて3年が経ち、経験から得た注意点も多くあります。 そのひとつが、本人のやる気をなくさせないよう、コンスタントに仕事を発注していくことです。 「仕事が途切れると不安になるものです。できる仕事を見つけて、きちんと発注することが大切ですね」と地田さん。 もうひとつは、コミュニケーションの取り方です。現在は年に2〜3度の自宅訪問程度ですが、 機会を見つけて極力出向く方向にしたいと考えています。 2003年には採用と教育の専門部署として人材開発センターを新たに設置。 アシスタントマネージャーの塚本さんは「やる気のある方はどんどん来てほしいですね。 面接に来られなければ、出向きます」と障害者の人材にも注目しています。 ▲左はアシスタントマネージャー塚本さん 雇用の現状 募集方法 随時。ホームページからエントリー等 在宅就業者数 1名 障害の状況 慢性関節リウマチによる四肢関節機能障害(障害者手帳1級) 身分 契約社員 コミュニケーション メール、社内報の配布(隔月発行) 雇用契約 月給 勤務時間 9:00〜17:30(基本的に残業はナシ) 業務内容 プログラム開発 留意点 ・連絡手段がほとんどメールのみなので、コミュニケーション不足に気をつけること     ・日常業務の管理の仕方 PICK UP!−困っていることをきちんと説明することも仕事のうち− ▲荒口裕美さん慢性関節リウマチ(障害者手帳1級) 発病する前からコンピュータ会社でSEをしていたんです。当時はパソコンではなくて大型のコンピューターでしたから、 プログラムは組めるけれどパソコンは超初心者状態だったんです。 ただ発病後に経理を10年やっていたので社会保険や勤務管理など会社の仕組がわかっていたこと、 システム開発の基本的な知識があることで、在宅でも採用していただけたのだと思います。 パソコン技術は仕事をしながら覚えていきました。こちらの問いかけにはいつもきちんと対応していただいているので、 不安もなく、とても働きやすいですね。 それでも最初は何に問題があって何を調べたらいいのかまったくわからなくて、画面の前で呆然とすることがありましたね。 3年の間にいろいろ学び、聞き方もわかるようになりました。 自分が困っていることをきちんと説明できること、それも仕事のうちです。そして自分で勉強しようと思わないと。 在宅の場合、こうしなさいと言ってくれる人はいませんから。仕事の上では健常者も障害者も同じだと思っています。 ▲日立物流ソフトウェア WEBトップ画面 ここがポイント ・積極的な雇用促進  Web上の障害者向けリクナビへの募集広告掲載、国立職業リハビリテーションセンターへのコンタクトに加え、  新たに障害者向けの求人雑誌にも募集広告を出す予定です。 ・向上心を促す発注の仕方  仕事をコンスタンスに発注することで、常に仕事に対して意欲を持たせています。  会社の重要な社員の1人という自覚も高められます。