雇 用14 Case study 実際場面を通じてコミュニケーションと パソコンスキルの向上をサポート Profile 支援団体 特定非営利活動法人 アイ・ネットワークくまもと ●所在地:熊本市水前寺6丁目50-25 ●・096(321)7020 _FAX096(321)7021 ●URL:http://www.npo-ink.jp/ 【事業内容】  平成14年に設立し、障害者へのパソコンサポートや支援ソフト等の普及支援、技能習得のための教育訓練の活動をしている。パソコン操作に関する質問を受け付ける「パソコン救急隊」、パソコン技能を指導する「パソコンせんせい」、在宅就業を支援する「いきいきテレワーク」事業などを実施。また、障害者の委託訓練や熊本県障がい者ITサポートセンターの運営もしている。 支援対象者 Mさん ●在住地:熊本県 ●障害種別:身体障害(2級) ●障害状況:体幹機能障害。言語、歩行に 障害がある。自動車の運転は可能。 【これまでの経緯】  高校卒業後、福岡障害者職業能力開発校に進み2年間職業訓練を受ける。修了後、ソフト開発会社に2ヶ月間勤務し退職。再就職に向けて、ビジネスマナー、ホームページ制作の技能習得を目指し、ハローワークの紹介により平成17年1月から支援団体を利用する。平成20年7月からWeb制作会社に採用される。 企業 W社 ●所在地:熊本県 【事業内容】  資格取得等のパソコン教室、ソフト開発、Web開発を行っている。 雇用のきっかけ  熊本県が実施しているチャレンジドテレワーク事業において、テレワーカーとして登録していたMさんに対して、業務の発注を通じて能力を把握することにより雇用につながった。 Mさんの雇用状況 従事業務 企業のホームページ制作 雇用形態 会社において勤務 契約社員(将来的には正社員に登用も検討) 勤務時間 1日6時間勤務 業務の進捗管理 直属の上司に常に報告、連絡、相談する。 賃金 時給制 配慮した事項 事務所の段差を無くした。駐車場を事務所に一番近い場所にした。 ▲Mさんが制作した  支援団体のホームページ 用語解説 「チャレンジドテレワーク事業」   熊本県が行っている事業で、在宅就業が可能な障害者のために、テレワークを活用したビジネスモデルを推進し、在宅就業の機会の拡大を図るもの。  具体的な内容として、 障害者テレワーカーの能力向上のための教育・訓練、業務受注拡大のための企業、団体等訪問、広報・啓発等を行っている。 ---------------------------------------------------- 支援内容 商品陳列やホームページ作成、 講師補助など様々な体験が自信を育む 特定非営利活動法人 アイ・ネットワークくまもと 事務局長 村上 栄基さん support 支援団体 支援対象者 Mさんへの支援 雇用前 人と接する機会を通じて コミュニケーションを学ぶ  平成17年1月当時、支援団体では授産施設で作られた工芸品や農作物を販売する「ナイスハートショップ」を運営。職場で求められるビジネスマナーやコミュニケーションについて、お店で商品陳列をしたり、パソコン講習の講師補助をしたりして学んでもらった。  また、ホームページ制作の知識はあったが、デザインの経験がなかったため、スタッフやボランティアがイラストレーター、フォトショップのマンツーマン指導を行った結果、支援団体のホームページやパンフレットを制作することができるようになった。 支援団体のスタッフとして勤務後、 テレワーカー登録を経て民間企業に採用  その後、平成17年4月から支援団体のスタッフとして、ホームページの更新、点字名刺の印刷、発送、請求業務等を中心に10時30分〜17時30分の週5日で勤務することになる。しかし、平成20年3月の事務所移転に伴い退職することになった。  Mさんは、支援団体で勤務する傍ら、在宅就業を行うために、熊本県が行うチャレンジドテレワーク事業においてテレワーカー登録をしていた。そこで、業務を発注していたW社から雇用の話が来て、平成20年7月に再就職することになった。 雇用後 本人からの報告により近況を把握  再就職にあたっては、会社でのコミュニケーションを円滑に進めるために、大きな声でゆっくりと話すこと、伝えたいことを事前に箇条書きにしてまとめておき、それをもとに説明することなどを助言した。  現在は、時折、本人から来るメールや支援団体への来所により近況を把握することにしている。 雇用先 W社への支援  本人とW社で直接、雇用の話が進んだので支援団体として企業にアプローチはしていない。 ▲熊本県の精神保健福祉課から依頼を受けて、 Mさんが作成したパンフレット comment  アイ・ネットワークくまもとに通所している間、いろいろと配慮していただき、感謝しています。さらに、様々な経験をすることで、自分もやれるという自信がついたことが、大きかったと思います。  今やっている仕事のWEB作成の技能を磨き、早く一人前と言われるようになりたいです。納期等、仕事の厳しさもありますが頑張りたいと思います。(Mさん) 支援ノウハウQ&A Q 貴法人で障害者の委託訓練を実施する際に、力を入れていることは何ですか? A 当法人では、スキル講習だけでなく、就職を目指すにあたっての心構えを伝えたり、職歴をもとに個別に相談したりしています。また、職務経歴書の書き方もチェックしています。これらの取組により、就職へのモチベーションが高まり、採用につながったケースは多いです。